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文献詳細

雑誌文献

検査と技術33巻6号

2005年06月発行

文献概要

ラボクイズ

5月号の解答と解説

著者: 西山泰暢1

所属機関: 1名城病院中央検査科形態細菌検査室

ページ範囲:P.521 - P.521

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【問題1】 解答:①Pasteurella multocida

解説:チョコレート寒天培地に発育したP.multocidaのコロニーはHemophilus influenzaeのコロニーに類似しており間違いやすい.しかし,ヒツジ血液寒天培地では衛星現象は見られず,やや大きいコロニーを示すことで区別がつく.匂いはイヌの口臭に似ている.図は二昼夜培養後に撮影したもの.

 P. multocidaは人間の常在細菌ではなくイヌやネコなどの動物の口腔に認められる細菌として知られている.人から検出される例のほとんどはこれらの動物に咬まれたり,引っ掻かれたりしてできた傷の化膿創から検出されている.われわれの病院でも毎年1~3例ぐらい経験する.提示した症例は稀な気管支炎例と考えられる.本菌を検出後,医師に患者の生活環境について調査を依頼した.その結果,患者の夫は単身赴任をしているためイヌと一緒に寝ているとのことであった.イヌの検査はできなかったものの感染源は推測された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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