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文献詳細

雑誌文献

検査と技術33巻7号

2005年07月発行

文献概要

病気のはなし

自己免疫性肝疾患

著者: 戸田剛太郎1

所属機関: 1せんぽ東京高輪病院

ページ範囲:P.616 - P.623

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新しい知見

 抗M2抗体(antiM2):抗ミトコンドリア抗体の主要な標的抗原はミトコンドリア内膜に存在するピルビン酸脱水素酵素,2-オキソグルタル酸脱水素酵素,分枝鎖2-オキソ酸脱水素酵素のE2成分である.従来,検出法は免疫蛍光法であったが,近年,ELISA(enzyme-linked immunosorbent assay,固相酸素結合)法(測定キット商品名MESACUP(R)-2テスト:ミトコンドリアMu2)が日常診療に使われるようになった.ELISA法は上記の三つの2-オキソ酸脱水素酵素のリコンビナントE2成分を固相化して抗体を検出する方法である.これによって測定された抗体は抗M2抗体(antiM2)と呼ばれる.抗ミトコンドリア抗体の標的抗原にはM1からM9まであるが,このうちM2はミトコンドリア内膜にある2-オキソ酸脱水素酵素構成分であり,これに対する抗体(antiM2)は抗ミトコンドリア抗体であることにはかわりはない.原発性胆汁性肝硬変(primary biliary cirrhosis,PBC)の新しい診断基準では免疫蛍光法で検出される抗体,ELISA法で検出される抗体を区別せず,抗ミトコンドリア抗体と呼ぶこととなった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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