文献詳細
文献概要
技術講座 生化学
尿中微量アルブミン測定法
著者: 舛方栄二1
所属機関: 1東邦大学大森病院臨床検査部
ページ範囲:P.625 - P.630
文献購入ページに移動新しい知見
尿中微量アルブミンは,持続する高血糖による糸球体基底膜のチャージバリアーの破綻とそれに伴う糸球体内圧上昇による基底膜透過性の亢進により出現し,糖尿病性腎症の病期分類に採用されている.さらに最近では脳梗塞や頸動脈内膜中膜複合体肥厚度(intima media thickness,IMT)上昇を認める本態性高血圧患者において微量アルブミン尿が高値傾向であるとの報告1)や,左室肥大の程度2),さらには高感度CRP(C-reactive protein,C反応性蛋白)値とも有意な相関がある3)ことなどがしだいに明らかにされ,高血圧治療ガイドライン2004(JSH2004)では高血圧による臓器障害の評価のための特殊(精密)検査として記載されるに至っている.以上より尿中微量アルブミン測定は,糖尿病のみならず高血圧などによる臓器合併症の指標としても広く利用できる有用な検査であるといえよう.
尿中微量アルブミンは,持続する高血糖による糸球体基底膜のチャージバリアーの破綻とそれに伴う糸球体内圧上昇による基底膜透過性の亢進により出現し,糖尿病性腎症の病期分類に採用されている.さらに最近では脳梗塞や頸動脈内膜中膜複合体肥厚度(intima media thickness,IMT)上昇を認める本態性高血圧患者において微量アルブミン尿が高値傾向であるとの報告1)や,左室肥大の程度2),さらには高感度CRP(C-reactive protein,C反応性蛋白)値とも有意な相関がある3)ことなどがしだいに明らかにされ,高血圧治療ガイドライン2004(JSH2004)では高血圧による臓器障害の評価のための特殊(精密)検査として記載されるに至っている.以上より尿中微量アルブミン測定は,糖尿病のみならず高血圧などによる臓器合併症の指標としても広く利用できる有用な検査であるといえよう.
掲載誌情報