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絵で見る免疫学 基礎編67
自然免疫の細胞と役割(1) 自然免疫におけるパターン認識レセプターその1
著者: 高木淳1 玉井一2
所属機関: 1アボットジャパン(株)器機診断薬事業部 2栄光病院
ページ範囲:P.644 - P.645
文献購入ページに移動微生物の侵入に対する最初のバリアーは皮膚表層の角質である.さらに,組織には好中球やマクロファージなどの貪食細胞,樹状細胞,NK(natural killer)細胞,γδT細胞などが待ち構えている.化膿菌と呼ばれているブドウ球菌,肺炎球菌,連鎖球菌,緑膿菌,大腸菌などが皮膚のバリアーを破って侵入したとき,最初に対処するのが常に体内を循環している好中球である.細菌を捕らえた好中球やマクロファージはIL(interleukin)-8(ケモカイン),TNF(tumor necrosis factor,腫瘍壊死因子)-αやIL-1などを産生する.IL-8は応援を乞うべく血流中の好中球やマクロファージを感染部位に誘引する物質である.TNF-αは感染組織近傍の血管内皮細胞に接着分子を発現させ遊走してきた仲間を接着して引き止め,さらに血管の透過性を亢進させて感染組織に誘引する.接着分子とはTNF-αにより血管内皮細胞上にセレクチンおよびLFA(lymphocyte function-associated antigen,リンパ球機能関連抗原)-1を発現させて好中球に発現しているシアリルルイスxおよびICAM(intercellular adhesion molecule,細胞間接着分子)-1をそれぞれ結合する(第33巻第2号,第3号参照).IL-1,IL-8およびTNF-αは炎症性サイトカインと呼ばれ,免疫担当細胞を活性化し炎症反応を起こして病原体感染の拡大を防いでいる(図1).
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