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文献詳細

雑誌文献

検査と技術33巻7号

2005年07月発行

文献概要

トピックス

敗血症におけるプロカルシトニン測定

著者: 久志本成樹1

所属機関: 1日本医科大学救急医学

ページ範囲:P.687 - P.690

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はじめに

 敗血症(sepsis)は集中治療を要する重症病態における最大の死亡原因である.この15年,敗血症の病態に重要な炎症性メディエーターに対する多くの拮抗,除去療法が試みられたが,活性化プロテインC1)や,最近報告されたTNF(tumor necrosis factor,腫瘍壊死因子)-αモノクローナル抗体2)で予後の改善が期待されるにとどまっている.

 敗血症の診断は,感染の証明と,体温,白血球数,心拍数と呼吸数で定義される全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome,SIRS)によってなされる3).しかし,敗血症によって生じる全身性炎症反応とそのパラメーターの変化は,その原因が感染であることを示すものではない.プロカルシトニン(procalcitonin,以下,PCT)は敗血症の原因が細菌感染症によることを示すマーカーであるとともに,その重症度を反映することから注目を集めている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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