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文献詳細

雑誌文献

検査と技術33巻8号

2005年08月発行

検査じょうほう室 血液:自動血球分析装置のフラッグ処理で困ったこと

血清鉄が正常なのに[Iron Deficiency?]

著者: 横尾ハル江1

所属機関: 1埼玉社会保険病院検査部血液

ページ範囲:P.757 - P.759

文献概要

はじめに

 近年,自動血球計数装置は,血球計数だけではなく白血球5分類も同時測定できる装置が主流となっています.当検査室も2000年3月よりXE-2100とSP-100とを接続したXE-AlphaNを使用しています.XE-2100では血球計数には主に直流電流を用いて細胞の大きさを捉えるDC検出方式が,白血球5分類には高周波電流を用いて細胞内部の情報を主に捉えるRF検出方式とDC検出方式との両方を使用したRF/DC検出方式と半導体レーザーを使用したフローサイトメトリーとの二法が用いられています.半導体レーザーは一つの細胞から得られる前方散乱光,側方散乱光,側方蛍光の三つの信号を解析して細胞を弁別します.前方散乱光からは細胞の大きさの情報を,側方散乱光からは細胞の内部情報(核の形,顆粒の有無など)を引き出し,側方蛍光からは主に核酸量(DNA,RNA)の情報を得ています.赤芽球の検出,網赤血球,血小板測定の一部にも半導体レーザーを使用したフローサイトメトリーが用いられています.HGB測定にはSLS-Hb法が使用されています1,2)

 XE-2100でのPOSITIVE検体にはデータになんらかの異常が認められ39種類のIPメッセージ(インタープリティブメッセージ)のどれかが出力されます.これがフラッグのことです.[Iron Deficiency?]はMCHC,MCV,RDW-CVより判定します.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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