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文献詳細

雑誌文献

検査と技術33巻8号

2005年08月発行

文献概要

検査じょうほう室 生化学:臓器マーカー

前立腺マーカー

著者: 伊藤一人1

所属機関: 1群馬大学大学院医学系研究科泌尿器病態学

ページ範囲:P.760 - P.762

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はじめに

 前立腺マーカー=前立腺特異抗原(prostate specific antigen,PSA)といっても差し支えないほど,PSAおよびPSA関連マーカーの前立腺マーカーとしての現時点での役割は大きい.

 PSA検査の出現によって世界中の前立腺癌のランドスケープは一変したといわれている.PSA検査出現以前には前立腺癌の約半数は既に骨に転移した状態で発見されており,治療法は限られ,骨転移症例の約半数の症例は5年以内に死亡していた.欧米諸国において前立腺癌はその罹患率・死亡率の高さから社会問題となっていたが,1980年代後半からPSAスクリーニングが普及し,その後1992年前後よりカナダ・米国の前立腺癌の死亡率は低下傾向にある.

 わが国において,前立腺癌は現在男性癌の6番目の罹患率,8番目の死亡率であるが,今後急激な増加が予測され,1995年の死亡率の実測値と,2015年の死亡予測値の比は,約3倍と男性癌中で最も高い1)ことからも,前立腺マーカーとしてのPSAを用いた最適なスクリーニングシステムの確立は急務である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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