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文献詳細

雑誌文献

検査と技術33巻9号

2005年09月発行

技術講座 病理

in situ hybridization法を利用した細菌感染症の病理診断

著者: 堤寛1 下村龍一1

所属機関: 1藤田保健衛生大学医学部病理学

ページ範囲:P.809 - P.816

文献概要

新しい知見

 酵素抗体法よりISH法が有利な場合:抗原抗体反応を利用する酵素抗体法と核酸同士の特異的結合とを利用してDNAあるいはRNAを証明するin situ hybridization(ISH)法とはともに病理診断に応用されて久しい.産生された直後に分泌されるため,その蛋白質産物が細胞内へほとんど貯留しないサイトカイン類を酵素抗体法で局在観察しようとすると偽陰性が多くなる.この場合,mRNAを検出するISH法が圧倒的に優れている.ACTH産生腫瘍やG-CSF産生腫瘍が代表例である.一方,病原体は異種核酸であるがゆえに,DNA検出に診断的意義が高い点が特徴といえる.また,蛋白質へ翻訳されないRNAであるリボソームRNAやEBウイルス感染細胞核内におけるEBER1の検出も多用される.腫瘍ウイルスゲノムの多くも蛋白質産物を伴わないため,免疫染色陰性,ISH陽性になりやすい.一本鎖オリゴヌクレオチドプローブを簡便かつ安価に合成できる点もISH法の利点である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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