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文献詳細

雑誌文献

検査と技術33巻9号

2005年09月発行

文献概要

Laboratory Practice 生化学 自動分析装置での検査データの質を上げるためのポイント

酵素反応系のデータ管理と不具合対策の例

著者: 真々田賢司1

所属機関: 1千葉大学医学部附属病院検査部

ページ範囲:P.840 - P.842

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はじめに

 現在,生化学検査は酵素反応系を応用している測定法が主流となっている.一般に酵素反応系は,特異性が高い酵素を利用することで,他の化学的方法に比べ測定値の正確度が向上する.そして,使用する試薬は反応条件が中性付近のものが多いため測定機器に優しく(腐食されにくい),さらに重金属・毒物・劇物などを使用する反応系が少なく人体や環境に配慮された測定法であるともいえる.

 酵素反応系は数種類の酵素を組み合わせて用いることがほとんどであり,目的物質に直接反応する酵素を初発酵素と呼び,検出反応に利用される酵素を指示酵素と呼ぶ.そして酵素反応系全体の特異性は,指示酵素の特異性によっても影響されるため,指示酵素に何が使われているかを知ることが重要である.また酵素は,それぞれKmや至適pHなどの性質が異なるため,患者試料・検量物質さらに管理試料など,試料の性状により反応性が同一でない場合もある.そのため,これらの特性を知らないことがデータ管理を怠り,その結果として臨床に誤ったデータを提出してしまう場合があることを認識しなくてはならない.

 今回は,酵素反応系のデータ管理に必要な知識を述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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