文献詳細
文献概要
連載 臨床医からの質問に答える
「血糖自己測定値が検査室での血糖値と合わない」と質問された
著者: 桑克彦1
所属機関: 1筑波大学大学院人間総合科学研究科
ページ範囲:P.70 - P.73
文献購入ページに移動 血糖自己測定(self-monitoring of blood glucose,SMBG)に用いる測定器などの簡易血糖測定器は,測定が簡便なことから緊急時や輸液などの処置施行時に使用する事例がある.しかしこれは大変危険なことである.このことが臨床上問題となり,厚生労働省から安全性情報〔医薬品・医療用具等安全性情報No.206(2004年10月)〕も出されている1).
図1はSMBG測定値に与えるマルトースの影響を調べた例である.一部の測定器で正誤差が生じる.このような現象は,輸液に用いられるマルトースやイコデキストリン以外に,負荷試験に用いられるガラクトースやキシロースなどを含んだ検体でも正誤差を生じる2).
図1はSMBG測定値に与えるマルトースの影響を調べた例である.一部の測定器で正誤差が生じる.このような現象は,輸液に用いられるマルトースやイコデキストリン以外に,負荷試験に用いられるガラクトースやキシロースなどを含んだ検体でも正誤差を生じる2).
参考文献
1) 医薬品・医療用具等安全性情報No.206 http://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/10/h1028-2a.html
2) 古澤亜弥子,他:簡易血糖測定器における測定影響要因―6機種の比較検討.機器・試薬 27:337-341,2004
3) 富永真琴,他:血糖自己測定機器の比較対照法としての静脈血法の有用性.糖尿病 45:825-834,2002
4) 桑克彦:血糖自己測定機器の標準化の現状と問題点.富永真琴編,患者指導のためのSMBGのすべて,改訂第2版.日本医学出版,pp31-41,2005
掲載誌情報