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文献詳細

雑誌文献

検査と技術34巻10号

2006年10月発行

文献概要

病気のはなし

骨髄異形成症候群

著者: 渡辺卓郎1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院血液・腫瘍内科

ページ範囲:P.908 - P.914

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サマリー

 骨髄異形成症候群は多能性造血幹細胞のクローナルな異常により生じる疾患群で,白血病に移行する前白血病的性格と無効造血などによる骨髄不全を併せ持ち,主に中高年に発症します.治療抵抗性で慢性非可逆的に進行して一般に予後不良です.造血幹細胞移植のみが根治的な治療ですが,ヘテロな疾患群であるため症例ごとに予想される臨床経過,予後,治療のリスク,QOLなどを十分に考慮して治療方針を決定する必要があります.WHO分類,あるいはFAB分類により分類される病型と国際スコアリングシステム(international prognostic scoring system,IPSS)によって臨床経過や予後に関して一定の予測が可能とされており,治療方針決定における重要な指標となっています.

参考文献

1) 浅野茂隆,内山卓,池田康夫(編):三輪血液病学.文光堂,pp925-943,2006
2) 吉田弥太郎(編):骨髄異形成症候群.最新医学社,2004
3) Elaine Sarkin Jaffe (ed):WHO Classification Tumor of Haemopoietic and Lymphoid Tissues. Intl Agency for Research on Cancer, pp63-72,2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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