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文献詳細

雑誌文献

検査と技術34巻10号

2006年10月発行

オピニオン

自動分析の歴史と今後の展望

著者: 関口光夫1

所属機関: 1日本大学医学部附属板橋病院臨床検査部

ページ範囲:P.929 - P.929

文献概要

 昭和25年代に本邦の大学病院で行われていた検査の多くは各医局の研究室において実施されていた.それらの検査が1か所に集められて中央化され,合理的に行われるようになったのが昭和30年頃であった.それから検査件数と項目数が増加の一途をたどり,その検査件数を用手法で処理するには難しい状況となり,昭和40年代に入り自動分析への期待と要求が高まってきた.

 米国においては,昭和26年にクリーブランド市の退役軍人病院のSkeggsが,増加する検体に対応するため日常分析を機械化すべきであるとして,自動分析装置を自作したのが自動分析の始まりとされている.そのアイディアをテクニンコン社(米国)が取り上げ,臨床化学用の自動分析装置が商品化された.その第一号機が「オートアナライザー」の商品名で昭和32年に出荷され,これが自動分析装置の先駆けとなった.この装置は,試料と試薬がチューブの中を連続的に流れながら分析の基本過程(混合→透析→加熱・発色→光度計→記録計)が進行する方式であり,フロー方式と呼ばれていた.当初は1台で1項目測定であったが,さらに発展を遂げ昭和42年頃には12項目を時間当たり60検体の分析速度で同時分析することができるまでになった.昭和50年頃に至っては20項目を時間当たり150検体の速度で同時分析が可能な装置までに発展し一世を風靡した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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