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文献詳細

雑誌文献

検査と技術34巻10号

2006年10月発行

文献概要

検査じょうほう室 微生物 感染症検査の迅速化・6

抗体検査

著者: 西功1 浅利誠志2

所属機関: 1大阪大学医学部附属病院臨床検査部 2大阪大学医学部附属病院感染制御部

ページ範囲:P.958 - P.959

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 はじめに

 ウイルス,クラミジア,結核およびマイコプラズマなどの検査においては,培養に特殊な培地や細胞組織を用い検出までに長時間を必要とするため,抗原抗体反応を用いた免疫学的検査法が迅速検査として活用されている.感染初期には,IgM(immunoglobulin M,免疫グロブリンM)抗体が早期に上昇するため,急性期症状を呈する患者診断にはIgM抗体の検出が有効である.一方,ウイルスアウトブレイク時の接触者検診(抗体保有の有無)や針刺し事故発生時などの汚染源の罹患歴確認検査にはIgG抗体価測定が有効である.

 本章では迅速検査として有効な抗酸菌症,マイコプラズマ症,クラミジア症,ウイルス感染症の抗体検査について概説する.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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