文献詳細
検査じょうほう室 生化学
文献概要
POCT出現までの背景
臨床検査の歴史は,ヒポクラテスの時代の尿の色,臭気,量などの異常を観察することから始まり,20世紀には技術革新とともに臨床検査も進歩して分析項目は増大し,測定精度も向上した.検査を行う場所も診察室や研究室であったものが“中央化”され検査専門の部署で実施されるようになり,中央検査部門では,新規検査項目の取り込みと,急激な検体数の増加に対応するための測定の自動化が進んだ1).
しかし,今日では臨床検査の重要性がますます増大するなか,大量検体の一括処理は個々の患者にとって決して最適・最速ではなくなった.救急救命センター,ICU(intensive care unit,集中治療室),CCU(coronary care unit,心臓集中治療室),手術室などの救急医療では,臨床検査の結果が患者の命を左右する場面もあり,超緊急に測定結果を必要とする.中央検査部門でも緊急検査体制をとっている施設も多いが,多数の検体を扱う状況では超緊急検査体制には限界がある.このような臨床検査の即時対応の要望に呼応してPOCT(point of care testing)の概念が生まれた.
臨床検査の歴史は,ヒポクラテスの時代の尿の色,臭気,量などの異常を観察することから始まり,20世紀には技術革新とともに臨床検査も進歩して分析項目は増大し,測定精度も向上した.検査を行う場所も診察室や研究室であったものが“中央化”され検査専門の部署で実施されるようになり,中央検査部門では,新規検査項目の取り込みと,急激な検体数の増加に対応するための測定の自動化が進んだ1).
しかし,今日では臨床検査の重要性がますます増大するなか,大量検体の一括処理は個々の患者にとって決して最適・最速ではなくなった.救急救命センター,ICU(intensive care unit,集中治療室),CCU(coronary care unit,心臓集中治療室),手術室などの救急医療では,臨床検査の結果が患者の命を左右する場面もあり,超緊急に測定結果を必要とする.中央検査部門でも緊急検査体制をとっている施設も多いが,多数の検体を扱う状況では超緊急検査体制には限界がある.このような臨床検査の即時対応の要望に呼応してPOCT(point of care testing)の概念が生まれた.
参考文献
1) 河合忠,大場康寛(編):我が国の臨床検査の歴史.エスアールエル.2000
2) 富士経済東京マーケティング本部メディカルグループ:2005 臨床検査市場.2005
3) 柴田宏,陶山洋二,伊藤睦子,他:インフェクトロールを用いたHBs抗原検出用イムノクロマトグラフィー法試薬のロット間検出感度比較.医学検査 54:880-886,2005
4) 厚生労働省安全性情報(医薬品・医療用具安全性情報170号),厚生労働省,2001
5) 第3回POCセミナー「インフルエンザウイルス抗原検査を知る」:日本臨床検査自動化学会POC推進委員会,2005
6) 柴田綾子:緊急検査およびPOCTにおける問題点とその対応.日本臨床検査自動化学会誌 28:125-127,2003
7) 松尾収二:臨床現場におけるPOCT(point of care testing)の意義,日本臨床 62:40-43,2004
8) 厚生労働省安全性情報(医薬品・医療用具安全性情報206号),厚生労働省,2004
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