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文献詳細

雑誌文献

検査と技術34巻10号

2006年10月発行

文献概要

けんさ質問箱Q&A

早朝にだけK値が上昇する理由は ?

著者: 松尾収二1

所属機関: 1天理よろづ相談所病院臨床病理部

ページ範囲:P.980 - P.982

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電解質値は安定していた患者さんが突然,早朝にカリウム(K)値が上昇しました.早朝K5.7mEq/l,Na130mEq/l,Cl87mEq/l,そして11:40にはK4.3mEq/l,Na129mEq/l,Cl88mEq/lとなりました.このパターンが3回ありました.ドライ法と電極法とのデータを比較しましたが同じ結果でした.この機序について教えてください.(郡山市 K.I.生)

 質問事例の電解質データを表にまとめた.常日頃は,低Naおよび低Cl血症があり,Kは基準範囲内にあった.これがある日の早朝K5.7mmol/lと高値を示したということである.このようなことが3回あったが,ドライ法と電極法との差はないということである.

参考文献

1) 市原清志:正常値(基準値・基準範囲)・異常値に対する考え方.広範囲・尿化学検査,免疫学的検査(上巻).日本臨牀 53(臨時増刊号):9-28,1995
2) 林松彦:Na/K/Cl.これだけは知っておきたい検査のポイント,第7集.medicina 42(増):272-275,2005
3) 上野芳人,荻野良郎,木野内喬:ナトリウム,カリウム.広範囲・尿化学検査,免疫学的検査2,日本臨牀 62(臨時増刊号):250-256,2004
4) Ralph AD:Hyperkalemic atate. Morton HM, Charles RK, Robert GN (ed):Clinical Disorders of Fluid and Electrolyte Metabolism, 4 th ed. McGraw Hill, New York,pp547-584,1987

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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