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混合診療と臨床検査
著者: 渡辺清明1
所属機関: 1国際医療福祉大学附属三田病院検査部
ページ範囲:P.983 - P.984
文献購入ページに移動最近の医療経済の最大の話題は医療制度改革,特に医療費の適正化にある.この改革の本当の目的は,高度で質の高い安全な医療をいかに安価なコストで提供できるかである.しかし,これは一見矛盾した命題である.この資本主義の世の中で,安くてよいものなどありはしないというのが正論である.特に,人の生命にかかわることであれば大変難しいのは当然である.しかし,今やわが国は多額の借金を抱え,多くの企業や国の関連の団体においてもリストラを初めとする経済戦略が具体化されている.したがって,国家経済というマクロな世界からみれば,医療だけが例外とはいっていられないのが現実である.そこで否応なしに医療にも経済的重圧が加わってきている.
ご承知のように,2006年度の診療報酬改定では全体で3.16%の引き下げとなり,薬価などを除いた診療報酬本体では1.36%の減である.これは過去最大のマイナス改定であり,病院などの医療機関に及ぼす影響は大きい.しかし,国はこれだけではまだ不十分とみて,例えば生活習慣病の予防や混合診療の推進を行っている.特に混合診療を実施することが普及すれば,保険者の負担は減り,患者負担が増すので保険による医療費は削減できるわけである.そういうことで最近の医療費削減のなかで混合診療が注目されている.ここでは,混合診療の最近の動向と臨床検査との関連について述べる.
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