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文献詳細

雑誌文献

検査と技術34巻11号

2006年10月発行

文献概要

増刊号 新しい臨床検査・未来の臨床検査 総論

8 POCT

著者: 松尾収二1

所属機関: 1天理よろづ相談所病院臨床病理部

ページ範囲:P.1044 - P.1049

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 はじめに

 検査の進歩により新米の医師でもベテラン医師でも容易に検査データを入手できるようになった.しかも良質のデータを大量かつ迅速に活用できるようになった.しかし昨今の医療費抑制の流れのなかで,検査を無分別に行うことを戒める一方,迅速化に対する要求はとどまることを知らない.このような中で診察現場での検査,すなわちPOCT(point of care testing)が注目されている.POCTとして,血液ガス・電解質を中心とした緊急検査,感染症診療のためのCBC(complete blood count,全血球計算)やCRP(C-reactive protein,C反応性蛋白質),糖尿病モニターのための血糖検査など広く行われてるが,今後,対応の範囲は広がっていくであろう.

 POCTは,医療従事者が検査し診断・治療に活用する検査の仕組みである.患者自らが検体採取したり測定する在宅検診やOTC(over the counter)とは異なる.本項の目的は,POCTとは操作が簡便な検査の機器や試薬を指すのではなく検査の仕組みであることを理解して頂き,適切な管理,運用を促すことにある.

参考文献

1) Robert CR:Why testing is being moved to the site of patient care. Med Lab Obs 23:2-6,1991
2) Gerald JK:Goals, Guidelines and Principles for Point-of-Care Testing. Gerald JK (eds):Principles & Practice of Point-of-Care Testing.uLippincott Williams & Wilkins, New York,pp1-12,2001
3) 日本臨床検査自動化学会:POCTガイドライン.日本臨床検査自動化学会誌 29(Suppl3):2004
4) 坂本秀生:Point-of-Care Coordinatorとしての検査部の関わり.Medical Technology 31:292-294,2003
5) 松尾収二:POCTガイドラインとコーディネータ精度の動き.MedicalTechmology 33:1047-1051,2004
6) 高木康:迅速診断キット・機器の現状と問題点.救急・集中治療 14:673-680,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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