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増刊号 新しい臨床検査・未来の臨床検査 総論
9 無侵襲血液検査の現状と将来
著者: 桑克彦1
所属機関: 1筑波大学大学院人間総合科学研究科
ページ範囲:P.1050 - P.1056
文献購入ページに移動Ⅰ. 無侵襲計測法
無侵襲あるいは非侵襲(non-invasive)の検査は,痛みなどを伴わないことから究極の検査法である.痛みを伴わない検査という点では,古くから尿検査がその代表とされてきた.また,いわゆる生理検査の多くも同様である.このうち生体情報の計測技術の進歩により,その画像化も含めて新しい臨床検査が開発されている.表1には無侵襲計測法による臨床検査の例を示した.
1 . 光を利用した生体情報計測装置
1) 近赤外線分光法
近赤外線分光法(near infrared spectroscopy,NIR)としては,ヘモグロビン量の計測とグルコースのモニタ(後述)に利用されている.
無侵襲あるいは非侵襲(non-invasive)の検査は,痛みなどを伴わないことから究極の検査法である.痛みを伴わない検査という点では,古くから尿検査がその代表とされてきた.また,いわゆる生理検査の多くも同様である.このうち生体情報の計測技術の進歩により,その画像化も含めて新しい臨床検査が開発されている.表1には無侵襲計測法による臨床検査の例を示した.
1 . 光を利用した生体情報計測装置
1) 近赤外線分光法
近赤外線分光法(near infrared spectroscopy,NIR)としては,ヘモグロビン量の計測とグルコースのモニタ(後述)に利用されている.
参考文献
1) 田村正秀,田村知巳:近赤外レーザー光を用いる生体酸素代謝の無侵襲測定.病態生理 10:558-568,1991
2) 米村勝:末梢血管モニタリング装置アストリムの性能について.Sysmex J 22:249-254,1999
3) Suto T, Fukuda M, Ito M, et al:Multichannel near-infrared spectroscopy in depression and schizophrenia:Cognitive brain activation study. Biol Psychiatry 55:501-511,2004
4) 国枝武義:肺高血圧症NOガス吸入療法.治療 76:2380-2383,1994
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6) Tamada JA, Bohannon NJV, Potts RO:Measurement of glucose in diabetic subjects using noninvasive transdermal extraction. Nature Medicine 1:1198-1201,1995
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9) Mackenzie HA, Ashton HS, Spiers S, et al:Advances in photoacoustic non invasive glucose testing 45:1587-1595,1999
10) 三巻弘,桑克彦:代謝熱整合法による非侵襲的血糖測定法の開発.分子糖尿病学の進歩2005―基礎から臨床まで,pp163-168
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