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文献詳細

雑誌文献

検査と技術34巻11号

2006年10月発行

文献概要

増刊号 新しい臨床検査・未来の臨床検査 各論 1.血液検査

2 フローサイトメトリーによる白血病タイピング

著者: 米山彰子1

所属機関: 1虎の門病院臨床検体検査部

ページ範囲:P.1078 - P.1082

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 はじめに

 血球の種類や分化段階により細胞表面や細胞質内抗原の発現が異なる.白血病細胞など,腫瘍化した細胞においてもその正常対応細胞の形質が保たれていることが多い.したがって,造血器腫瘍の診断や病型分類に際して,形態診断や特殊染色に加えて免疫学的な形質解析を併用すると,詳細で確実な診断が可能である.造血器腫瘍の新WHO分類においても遺伝子や免疫学的表現型の解析が重視され,造血幹細胞移植や分子標的療法を含む多数の選択肢から,病型ごとの予後や治療反応性を考慮した治療方針の選択に役立っている.また,治療効果判定や,造血器腫瘍が他の組織に浸潤した場合の診断にも用いられる.

参考文献

1) 日本臨床検査標準協議会(JCCLS)血液検査標準化検討委員会フローサイトメトリーワーキンググループ:フローサイトメトリーによる造血器腫瘍細胞表面抗原検査に関するガイドライン(JCCLS H2-P V1.0)日本臨床検査標準協議会会誌 18:69-107,2003
2) 米山彰子:血液疾患の診断に必要な検査 表面形質.三輪血液病学,文光堂,pp567-580,2006
3) 米山彰子:フローサイトメトリー.三輪血液病学,3版,文光堂,pp1945-1954,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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