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文献詳細

雑誌文献

検査と技術34巻11号

2006年10月発行

文献概要

増刊号 新しい臨床検査・未来の臨床検査 各論 1.血液検査

3 粒子計測法による血小板凝集能検査

著者: 佐藤金夫1

所属機関: 1山梨大学医学部臨床検査医学講座

ページ範囲:P.1088 - P.1090

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 はじめに

 血小板は生理的な止血・血栓形成や病的血栓形成において重要な役割を果たしており,血小板数の減少や機能低下(血小板無力症やベルナール-スーリエ症候群など)は出血傾向をきたす.また,心筋梗塞,脳梗塞,糖尿病合併症などにおいて血小板機能亢進が認められており,これら動脈硬化性疾患を有する患者では再発予防のため血小板機能を抑制する抗血小板薬が処方されているが,薬剤の服用にもかかわらず血栓症のリスクが低下しない患者群の存在が報告されている1)(薬剤に対する抵抗性,レジスタンスと呼ばれている).そのため,抗血小板薬の薬効を判定する測定系が今後,必要になってくると思われる.

参考文献

1) 村田満:アスピリンレジスタンスの臨床的意義とその分子基盤.炎症と免疫 14:391-396,2006
2) 山田浩史,平山俊和,杉原浩,他:散乱光粒子測定装置を用いた脳梗塞急性期の血小板自然凝集に関する検討.脳卒中 26:364-370,2004
3) 佐藤金夫:抗血小板療法における血小板凝集能検査を利用した薬効モニタリングの実際.日本血栓止血学会誌 17:424-429,2006
4) 佐藤金夫,尾崎由基男,矢冨裕,他:散乱光を用いた粒子計測法による血小板凝集能の測定.日本血栓止血学会誌 8:55-61,1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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