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文献詳細

雑誌文献

検査と技術34巻11号

2006年10月発行

文献概要

増刊号 新しい臨床検査・未来の臨床検査 各論 1.血液検査

ノート 血小板機能亢進を評価するための検査

著者: 佐藤金夫1

所属機関: 1山梨大学医学部臨床検査医学講座

ページ範囲:P.1091 - P.1095

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 はじめに

 脳梗塞,心筋梗塞,狭心症などの動脈硬化を基盤とした血栓性疾患は日本人における死亡原因の上位を占め,その予防や早期発見は重要な課題となっている.これらの疾患では血小板機能亢進が認められることから,機能亢進状態の評価を通じて診断や治療に寄与できると考えられる.

 血小板機能亢進状態では,血小板凝集能の反応性が亢進したり生体内での顆粒内容物の放出に伴う種々の変化が現れたりするので,それらを指標にして血小板の機能亢進状態を評価することができる.検査法として,in vitroで血小板活性化物質に対する反応性の亢進を評価する方法と,ex vivoで血小板活性化に伴って変化する成分を評価する方法とがあり,前者には血小板凝集能検査,後者には活性化GP(glycoprotein,糖蛋白)IIb/IIIaやCD(cluster of differentiation)62Pなどの血小板表面マーカー,血小板由来マイクロパーティクル,流血中血小板凝集塊などに関する評価法がある.本稿では最初に血小板活性化機構について概説し,続いて検査法について解説する.

参考文献

1) 佐藤金夫,尾崎由基男:新しい血小板機能測定法.日本臨床検査自動化学会会誌 29:115-119,2004
2) 西川政勝,田丸智己,矢崎晃:SIPA(ずり応力惹起血小板凝集).Thrombosis and Circulation 12:359-362,2004
3) 佐藤金夫,金子誠,尾崎由基男:全血を用いた血小板機能検査法の開発.日内会誌 94:2208-2214,2005
4) 佐藤金夫,矢冨裕,尾崎由基男:血小板の活性化とその検出法.臨床病理 50:773-778,2002
5) 小関靖,野村昌作:血小板由来マイクロパーティクルの測定法―利点と問題点.日本血栓止血学会誌 15:286-292,2004
6) 佐藤金夫,茂木真由美,金谷一司,他:動脈硬化と血小板機能評価法.日本検査血液学会雑誌 6:451-456,2005
7) 大川龍之介,矢冨裕:血小板内顆粒由来物質の血漿検体における測定.日本血栓止血学会誌 17:55-60,2006
8) 佐藤金夫,久保田文雄,尾崎由基男:Flow cytometric determination of platelet aggregation using whole blood.日本検査血液学会雑誌 4:221-227,2003
9) 清水美衣,山本正博,安藤泰彦:活性化血小板の検出―散乱光法,FACS法,自動血液分析装置法の比較.日本臨床検査自動化学会会誌 29:108-114,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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