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文献詳細

雑誌文献

検査と技術34巻11号

2006年10月発行

文献概要

増刊号 新しい臨床検査・未来の臨床検査 各論 2.生化学検査

2 ペントシジン

著者: 大友秀一1 宮田敏男1

所属機関: 1東海大学医学部腎・代謝内科

ページ範囲:P.1114 - P.1114

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 はじめに

 ペントシジンはAGEsの一種であり,高血糖や酸化ストレス下において,糖から変化したカルボニル化合物と生体蛋白との非酵素学的反応によって生成される.

 糖尿病では,ペントシジンの前駆物質である糖由来のカルボニル化合物の増加が,また腎不全ではカルボニル化合物の排泄低下と酸化ストレスの亢進が,炎症性疾患では酸化ストレスの亢進に基づくカルボニル化合物の産生が亢進し,ペントシジンレベルが上昇する.特に腎不全患者は極度の上昇を認め,健常人と比較し20倍程度上昇する.カルボニル化合物を消去する酵素であるグリオキシラーゼを欠損する患者では50倍程度上昇する.ペントシジン値は,糖尿病や腎不全の血管合併症などの指標となることが報告されている.

参考文献

1)uMiyata T, Taneda S, Kawai R, et al:Identification of pentosidine as a native structure for advanced glycation end products in beta-2-microglobulin-containing amyloid fibrils in patients with dialysis-related amyloidosis. Proc Natl Acad Sci USA 93:2353-2358,1996
2) Miyata T, Kurokawa K, Van Ypersele De Strihou C:Advanced glycation and lipoxidation end products:role of reactive carbonyl compounds generated during carbohydrate and lipid metabolism. (Review) J Am Soc Nephrol 11:1744-1752,2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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