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文献詳細

雑誌文献

検査と技術34巻11号

2006年10月発行

文献概要

増刊号 新しい臨床検査・未来の臨床検査 各論 2.生化学検査

8 small dense LDLコレステロール

著者: 平野勉1 伊藤康樹2

所属機関: 1昭和大学医学部第一内科 2デンカ生研

ページ範囲:P.1146 - P.1149

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 はじめに

 LDLコレステロール(c)が動脈硬化,とりわけ冠状動脈疾患(CHD)の最も重要な危険マーカーであることは異論なき事実であり,大規模な疫学調査や薬剤の介入試験によって明らかとなっている.しかしながらLDL-C値が正常であってもCHDを発症する場合が稀ならず存在することもまた事実である.そこで注目されているのがLDLの質的異常であり,その代表格と目されているのが粒子サイズが小さく,比重の重いLDL(small dense LDL,以下sd LDL)である.最近ではメタボリックシンドロームで増加するためその関連因子として注目されてきている.従来よりsd LDLの検出にはLDLのサイズを濃度勾配電気泳動を用いて計測するのがスタンダードな方法であったが,近年はサイズ以上にsd LDLの濃度が重要視され1),その定量法に関心が集まっている.われわれはsd LDLの簡便な測定法としてポリアニオンと二価陽イオンから成る分離剤を用いて通常サイズのLDLを含む比重d<1.044g/mlのリポ蛋白を凝集させ,sd LDLを分離するステップと,分離後のLDL-Cを測定するステップから成るsd LDL-C測定法を開発した.本測定法はフィルター遠心チューブを用いることにより高カイロミクロン検体などでも正確に分離することができる.本測定法は,簡便であり特別な測定機器も必要としないことから,sd LDLの定量法として広く普及することが期待される.

参考文献

1) Hirano T, Ito Y, Saegusa H, et al:A novel and simple method for quantification of sdLDL. J Lipid Res 44:2193-2201,2003
2) 伊藤康樹,平野勉,山崎純一:Small dense LDL測定法―測定系の開発および臨床的意義.臨床病理 52:406-413,2004
3) Hirano T, Ito Y, Koba S, Toyodo M, et al:Clinical significance of small dense low-density lipoprotein cholesterol levels determined by the simple precipitation method. Arterioscler Thromb Vasc Biol 25:553-559,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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