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文献概要
増刊号 新しい臨床検査・未来の臨床検査 各論 2.生化学検査
15 セロトニン
著者: 山口政俊1
所属機関: 1福岡大学薬学部
ページ範囲:P.1179 - P.1181
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セロトニンは,必須アミノ酸であるL-トリプトファンからトリプトファンヒドロキシラーゼ,ついでL-芳香族アミノ酸デカルボキラーゼにより生合成されるインドールアミンである.セロトニンは大半が末梢に存在し(90%が胃腸管のエンテロクロマフィン細胞,8%が血小板),1~2%が中枢神経系に含まれる.セロトニンの生理作用は広範で,血管平滑筋収縮,血小板凝集促進,胃腸管刺激などの末梢作用のほか,中枢において精神機能や神経内分泌の活動にもかかわっている.セロトニンは脳血液関門を通過しないので,脳機能は末梢セロトニンの影響はほとんど受けない.血液または尿中のセロトニン量を測定することで,末梢のセロトニン動態および病態を知ることができる.しかし,中枢セロトニンの変動を知るためには脳脊髄液中のセロトニンの測定が必要である.
セロトニンは,必須アミノ酸であるL-トリプトファンからトリプトファンヒドロキシラーゼ,ついでL-芳香族アミノ酸デカルボキラーゼにより生合成されるインドールアミンである.セロトニンは大半が末梢に存在し(90%が胃腸管のエンテロクロマフィン細胞,8%が血小板),1~2%が中枢神経系に含まれる.セロトニンの生理作用は広範で,血管平滑筋収縮,血小板凝集促進,胃腸管刺激などの末梢作用のほか,中枢において精神機能や神経内分泌の活動にもかかわっている.セロトニンは脳血液関門を通過しないので,脳機能は末梢セロトニンの影響はほとんど受けない.血液または尿中のセロトニン量を測定することで,末梢のセロトニン動態および病態を知ることができる.しかし,中枢セロトニンの変動を知るためには脳脊髄液中のセロトニンの測定が必要である.
参考文献
1) 石田淳一,山口政俊:分子認識型誘導体化法による生体内セロトニン及びカテコールアミン関連化合物の高感度HPLC定量.Jasco Report Vol.39,No.1,1983
2) 廣渡祐史,原克子,高橋伯夫:新しい循環器疾患のマーカー―セロトニン.臨床病理 52:693-703,2004
3) Yoshitake T, Kehr J, Todoroki K, et al:Derivatization Chemistries for the determination of serotonin, norepinephrine and dopamine in rat brain microdialysis samples by liquid chromatography with fluorescence detection. Biomedical Chromatography 20:267-281,2006
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