文献詳細
増刊号 新しい臨床検査・未来の臨床検査
各論 3.免疫血清検査
文献概要
はじめに
抗リン脂質抗体は,基礎的には,その抗原に対する特異性が多様であることが明らかにされてきた1,2).すなわち,本抗体は,カルジオリピンなどのリン脂質のみならず,β2-グリコプロテインI(β2-glycoprotein I,β2-GPI),プロトロンビンなどのリン脂質に結合する蛋白質にも反応する.
抗リン脂質抗体は,臨床的には,血栓症に対する後天性危険因子のひとつとして把握され,抗リン脂質抗体症候群(antiphospholipid syndrome,APS)という疾患概念が確立されてきた.現在,抗リン脂質抗体は,40歳以下でみられる動静脈血栓症(脳梗塞,深部静脈血栓症など),習慣流産といった妊娠合併症の症例では測定されるべき検査となった.
抗リン脂質抗体は,基礎的には,その抗原に対する特異性が多様であることが明らかにされてきた1,2).すなわち,本抗体は,カルジオリピンなどのリン脂質のみならず,β2-グリコプロテインI(β2-glycoprotein I,β2-GPI),プロトロンビンなどのリン脂質に結合する蛋白質にも反応する.
抗リン脂質抗体は,臨床的には,血栓症に対する後天性危険因子のひとつとして把握され,抗リン脂質抗体症候群(antiphospholipid syndrome,APS)という疾患概念が確立されてきた.現在,抗リン脂質抗体は,40歳以下でみられる動静脈血栓症(脳梗塞,深部静脈血栓症など),習慣流産といった妊娠合併症の症例では測定されるべき検査となった.
参考文献
1) Kaburaki J:Antibody specificity and related clinical features in antiphospholipid syndrome. Mod Rheumatol 11:113-120,2001
2) 鏑木淳一:免疫血清 抗リン脂質抗体.日本臨床検査専門医会 21:8-11,2003
3) Miyakis S, Lockshin MD, Atsumi T, et al:International consensus statement on an update of the classification criteria for definite antiphospholipid syndrome (APS). J Thromb Haemost 4:295-306,2006
4) 鏑木淳一:抗リン脂質抗体の測定方法.リウマチ科 23:435-440,2000
掲載誌情報