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増刊号 新しい臨床検査・未来の臨床検査 各論 3.免疫血清検査
7 サイトカインと可溶性サイトカインレセプター
著者: 窪田哲朗1 宮坂信之2
所属機関: 1東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科生体防御検査学 2医歯学総合研究科膠原病・リウマチ内科学
ページ範囲:P.1218 - P.1222
文献購入ページに移動サイトカインは炎症,免疫,造血,代謝などにかかわる細胞から分泌される分子量の小さい蛋白質で,それぞれのサイトカインに特異的なレセプターを発現している細胞にのみ作用を及ぼす.一般にサイトカインは複数の作用を有しており,しかも異なるサイトカイン同士で作用が重複する部分もある.複数のサイトカインが働くことによって作用が増強する組み合わせもあるが,互いの作用が抑制される組み合わせもある.したがって,in vitroの単純な系で実験している場合はともかく,in vivoではある刺激に反応してさまざまなサイトカインの産生が連鎖反応的に亢進してネットワークを形成し,臨床病態に複雑な効果をもたらしている.
近年,微量物質を特異的に定量する技術も進歩して,以下に紹介するようにさまざまな病態における各種サイトカインの動態が盛んに研究されている.今後,臨床的意義の確立したものから順次,臨床検査にも利用されるようになると思われる.
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