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文献詳細

雑誌文献

検査と技術34巻11号

2006年10月発行

文献概要

増刊号 新しい臨床検査・未来の臨床検査 各論 3.免疫血清検査

8 プロカルシトニン

著者: 舟田久1

所属機関: 1富山大学医学部感染予防医学講座

ページ範囲:P.1223 - P.1225

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 はじめに

 プロカルシトニン(procalcitonin,ProCT)はカルシトニン(calcitonin,CT)のプロペプチドである.分子量は13kDaで,アミノ酸116個からなる.その構造はN末端ペプチド(N-ProCT),CT,カタカルシン(CCP-)を含む(図1).血中にはCTのほかにもCT前駆体(CTpr)のProCT,NProCT,CT-CCP-Ⅰ結合体,CCP-Ⅰが検出される.生理的条件下で,CTは高Ca血症に反応して甲状腺の傍濾胞細胞(C細胞)で生成・分泌される.C細胞の癌化した甲状腺髄様癌では無症候性の高CT血症が臨床マーカーとなる.一方,ProCTは重症細菌感染症や敗血症の患者の血中に著増するだけでなく,その濃度が重症度や死亡率と相関する.このため,ProCTには敗血症や細菌感染症の炎症マーカーとしての臨床的意義が強調されている.

参考文献

1) Becker KL, Nylen ES, White JC, et al:Procalcitonin and the calcitonin gene family of peptides in inflammation, infection, and sepsis:a journey from calcitonin back to its precursors. J Clin Endocrinol Meta 89:1512-1525,2004
2) Whitcher J, Bienvenu J, Monneret G:Procalcitonin as an acute phase marker. Ann Clin Biochem 38:483-493,2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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