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文献詳細

雑誌文献

検査と技術34巻11号

2006年10月発行

文献概要

増刊号 新しい臨床検査・未来の臨床検査 各論 5.感染症検査

6 高病原性トリインフルエンザウイルスの検査

著者: 高桑弘樹12

所属機関: 1北海道大学大学院獣医学研究科動物疾病制御学講座 2現在:京都産業大学鳥インフルエンザ研究センター

ページ範囲:P.1259 - P.1260

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 はじめに

 H5N1高病原性トリインフルエンザ(high pathogenic avian influenza,HPAI)が2003年からアジアに発生し,これが世界の家禽に広がり,2億羽以上の家禽が淘汰されたが,その勢いは止まらない.その原因H5N1HPAIウイルスが野鳥にも浸潤し,ガン,白鳥などの大量死を引き起こしている.さらに,このウイルスはこれまで200人以上のヒトに感染し,その半数以上が死亡していることから,もはや畜産上の問題のみならず公衆衛生上の観点からも世界の注目を集めている.このウイルスがヒトからヒトに感染伝播する能力を獲得すれば,新型インフルエンザウイルスとしてパンデミックを引き起こす恐れがあるためである.今やトリインフルエンザがヒトの疾病名であるかのように錯覚されていることは正されなければならない.すなわち,トリインフルエンザは,家禽のA型インフルエンザウイルス感染症であり,家禽の疾病として制圧されるべきものである.獣医領域では精度と感度とを備えた迅速かつ的確な家禽のインフルエンザの診断法を確立するための努力が払われてきた.このウイルスがヒトに侵入した際には,的確な診断と防疫対策が執られなければならない.これを基に現在用いられているインフルエンザの検査法および将来改良され普及しうる検査法について紹介する.

参考文献

1) 喜田宏:鳥の病気 第6版.鶏病研究会 14-17,2006
2) 迫田義博:〈海外文献紹介〉.インフルエンザ 7:195-200,2006
3) 大楠清文,石和田稔彦,江崎孝行:一線診療のための臨床検査.検査と技術 33:989-992,2005
4) 小田切孝人,今井正樹,二宮愛,他:ランプ法によるH5N1高病原鳥インフルエンザの診断.インフルエンザ 7:201-209,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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