文献詳細
増刊号 新しい臨床検査・未来の臨床検査
各論 5.感染症検査
文献概要
はじめに
レジオネラ症は,レジオネラ属菌〔主にLegionella(L.)pneumophila〕に汚染されたクーリングタワー,噴水,温泉・循環式浴槽などのエアロゾルを吸入することにより発症する.本菌は細胞内寄生菌であることから,β-ラクタム薬やアミノグリコシド薬などの細胞内移行性が低い抗菌薬は無効である.レジオネラ属細菌は通常ルチンで使用される培地には発育しないことからその診断は困難であり,基礎疾患を有する宿主における本症の死亡率は20~30%と依然として高い.
近年,ELISA法(enzyme-linked immunosorbent assay method)とともに免疫クロマト法による尿中抗原検査が保険収載となり,レジオネラ症の迅速診断法として身近な存在になってきた.ただし,レジオネラ尿中抗原検査法にはいくつかの改善点・問題点も知られていることから,本法を有効に活用するためにはその長所と短所について熟知しておく必要がある.
レジオネラ症は,レジオネラ属菌〔主にLegionella(L.)pneumophila〕に汚染されたクーリングタワー,噴水,温泉・循環式浴槽などのエアロゾルを吸入することにより発症する.本菌は細胞内寄生菌であることから,β-ラクタム薬やアミノグリコシド薬などの細胞内移行性が低い抗菌薬は無効である.レジオネラ属細菌は通常ルチンで使用される培地には発育しないことからその診断は困難であり,基礎疾患を有する宿主における本症の死亡率は20~30%と依然として高い.
近年,ELISA法(enzyme-linked immunosorbent assay method)とともに免疫クロマト法による尿中抗原検査が保険収載となり,レジオネラ症の迅速診断法として身近な存在になってきた.ただし,レジオネラ尿中抗原検査法にはいくつかの改善点・問題点も知られていることから,本法を有効に活用するためにはその長所と短所について熟知しておく必要がある.
参考文献
1) 舘田一博,山口惠三:レジオネラ肺炎の診断.Annual Review 呼吸器2002.中外医学社,pp126-130,2002
2) 石川章,岡田純,近藤啓文,他:家庭用24時間風呂が感染源と特定できたレジオネラ肺炎の1例.感染症学雑誌 78:898-904,2004
3) 村上日奈子:尿中レジオネラ抗原検査.モダンメディア 50:86-91,2004
4) Okada C, Kura F, Wada A, et al:Cross-reactivity and sensitivity of two Legionella urinary antigen kits, Biotest EIA and Binax NOW, to extracted antigens from various serogroups of L.pneumophila and other Legionella species. Microbial Immunol 46:51-54,2002
5) Guerrero C, Toldos CM, Yague G, et al:Comparison of diagnostic sensitivities of Three Assays (Bartels Enzyme Immunoassay [EIA], Biotest EIA, and Binax NOW immunochromatographic Test) for detection of Legionella pneumophila serogroup 1 antigen in urine. J Clin Microbiol 42:467-468,2004
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