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文献詳細

雑誌文献

検査と技術34巻11号

2006年10月発行

文献概要

増刊号 新しい臨床検査・未来の臨床検査 各論 5.感染症検査

15 クラミジアトラコマチス核酸増幅同定検査

著者: 村谷哲郎1 松本哲朗1

所属機関: 1産業医科大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.1289 - P.1290

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 はじめに

 Chlamydia trachomatisはNeisseria gonorrhoeae(淋菌)と並んで,性感染症の主要起炎微生物である.自己エネルギー産生能力がないため,感染した宿主細胞内で封入体を形成し,宿主細胞からエネルギーの供給を受けて,増殖する偏性細胞内寄生微生物である.宿主はヒトであり,性行為により感染する.患者数は10年前と比較すると明らかに増加しており,若年女性での増加が顕著である.主な感染部位は子宮頸管と男性尿道であるが無症候に経過することが多く,男性50%,女性70~80%が不顕性感染と言われている.不顕性の率が高くまた,有症状の場合も淋菌感染症と比較すると症状は軽い.しかしながら,放置されると感染源となるため感染拡大の原因となるだけでなく,男性では精巣上体炎,前立腺炎,女性では卵管炎などの骨盤内炎症性疾患という重症感染症を引き起こす可能性があるため,早期に適切な診断がなされ除菌されるべき微生物である.また,近年性行動の多様化を反映して咽頭や直腸に感染している症例も多く,感染源となっている.

参考文献

1) 熊澤浄一,松本哲朗,佐久本操,他:Ligase Chain Reaction(LCR)法を用いたChlamydia trachomatis及びNeisseria gonorrhoeae検出用試薬の基礎的・臨床的検討.西日本泌尿器科 58:600-610,1996
2) コバスアンプリコアSTD-1,添付文書,2005年8月改定
3) BDプローブテックET,添付文書,2004年7月作成

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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