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増刊号 新しい臨床検査・未来の臨床検査 各論 6.遺伝子検査
ノート 白血病遺伝子定量検査
著者: 上平憲1
所属機関: 1長崎大学大学院医歯薬学総合研究科病態解析・制御学講座
ページ範囲:P.1315 - P.1319
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白血病を含む「がん」は,遺伝子異常の蓄積した病気である.がんにかかわる遺伝子異常は,変異・欠損・転座などの構造的変化を伴うもの,構造異常を伴わない量的異常,およびその両者がある.遺伝子検査には,このような遺伝子の構造異常の有無を検査する定性検査と構造異常の有無を問わず量的変化をみる定量検査がある.定量検査は,定性検査の代役になるのみでなく,定性検査ではわからない10万から100万分の1単位で微量の腫瘍細胞集団を腫瘍量(minimal residual disease,MRD)としてを評価できる分子マーカーとして臨床的価値が高い.そのうえに,最近のPCR法を取り巻く測定プラットホームの進歩で検査の簡略化,精度の向上があり,既に一部の遺伝子は実用化されている.しかし,白血病遺伝子定量検査には解決すべき問題点もまだ多く,本稿では現場での経験をとおしてPCR(polymerase chain reaction,ポリメラーゼ連鎖反応)法を中心に白血病遺伝子の定量検査の理論,現状,問題点などをレビューする.
白血病を含む「がん」は,遺伝子異常の蓄積した病気である.がんにかかわる遺伝子異常は,変異・欠損・転座などの構造的変化を伴うもの,構造異常を伴わない量的異常,およびその両者がある.遺伝子検査には,このような遺伝子の構造異常の有無を検査する定性検査と構造異常の有無を問わず量的変化をみる定量検査がある.定量検査は,定性検査の代役になるのみでなく,定性検査ではわからない10万から100万分の1単位で微量の腫瘍細胞集団を腫瘍量(minimal residual disease,MRD)としてを評価できる分子マーカーとして臨床的価値が高い.そのうえに,最近のPCR法を取り巻く測定プラットホームの進歩で検査の簡略化,精度の向上があり,既に一部の遺伝子は実用化されている.しかし,白血病遺伝子定量検査には解決すべき問題点もまだ多く,本稿では現場での経験をとおしてPCR(polymerase chain reaction,ポリメラーゼ連鎖反応)法を中心に白血病遺伝子の定量検査の理論,現状,問題点などをレビューする.
参考文献
1) Mullis KB:Target amplification for DNA analysis by the polymerase chain reaction. Ann Biol Clin 48:578-582,1990
calculation as an alternate method of data analysis for Q-PCR of bcr-abl p210 transcripts. Diag Mol Pathol 15:56-61,2006
3) Sugahara K, Uemura K, Harasawa, et al:Clinical relevance of survivin as a biomarker in neoplasms, especially in adult T-cell leukemias and acute leukemias. Int J Hematol 80:52-58,2004
4) Kamihira S, Dateki N, Sugahara K, et al:Significance of HTLV-1 proviral load quantification by real-time PCR as a surrogate marker for HTLV-1-infected cell count. Clin Lab Haematol 25:111-117,2003
5) Kamihira S, Dateki N, Sugahara K, et al:Real-time polymerase chain reaction for quantification of HTLV-1 proviral load:applification for analyzing aberrant integration of the proviral DNA in adult T-cell leukemia. Int J Hematol 72:79-84,2000
6) 菅原和行,上平憲:白血病遺伝子検査の現状と意義.日本検査血液学会 7:177-185,2006
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