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文献詳細

雑誌文献

検査と技術34巻12号

2006年11月発行

文献概要

病気のはなし

痛風と高尿酸血症

著者: 谷口敦夫1 山中寿1

所属機関: 1東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター

ページ範囲:P.1381 - P.1386

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サマリー

 痛風は,高尿酸血症が長期間持続し,その結果析出した尿酸・尿酸塩が原因となって急性関節炎や腎障害などを生じる疾患である.高尿酸血症は血清尿酸値が7.0mg/dlを超える場合と定義される.わが国では痛風患者は増加しており,痛風の背景にある高尿酸血症は成人男性の約20%に認められる.痛風発作は痛風の最も代表的な症状であるが,このほかにも痛風腎,尿路結石を合併しうる.また,尿酸の沈着とは直接関係しないが,生活習慣病の合併が多い.高尿酸血症も単独で存在することは少なく生活習慣病を合併することが多い.痛風発作は主として非ステロイド抗炎症薬で治療する.高尿酸血症の治療には尿酸降下薬を用いる.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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