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文献詳細

雑誌文献

検査と技術34巻12号

2006年11月発行

文献概要

ラボクイズ

10月号の解答と解説

著者: 大田喜孝1

所属機関: 1聖マリア病院臨床検査部

ページ範囲:P.1401 - P.1401

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【問題1】 解答:④真菌性髄膜炎(クリプトコッカス髄膜炎)

解説:真菌性髄膜炎はクリプトコッカス(Cryptococcus neoformans)によるものが群を抜いて高頻度である.これはクリプトコッカスが中枢神経系に高い親和性を持つためと考えられている.クリプトコッカス髄膜炎の多くは日和見感染や,抗生剤,ステロイド,免疫抑制剤の大量投与によって生じる免疫能低下の合併症として発症し,約半数が白血病,AIDS(acquired immunodeficiency syndrome,後天性免疫不全症候群),重症糖尿病,膠原病などの重篤な基礎疾患を有する.

 今回の症例はギラン-バレー症候群(Guillain-Barré syndrome)に併発した例であり,大量のステロイド投与がさらにクリプトコッカス髄膜炎を助長させたものと考えられる.髄液では細菌性髄膜炎と同様に蛋白質の上昇と糖の低下とを同時に認めることが多く,本症例のように大型菌体を多数認め,さらに特徴とされる厚い莢膜や出芽形態を認める場合は計算盤上の観察からでも比較的容易に推定がつく.また,本症例では髄液のLDとCKとがともに上昇しており,意識レベルの低下を認めることから,感染層が脳組織にも波及している可能性が示唆される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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