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文献詳細

雑誌文献

検査と技術34巻12号

2006年11月発行

文献概要

連載 失敗から学び磨く検査技術 病理標本作製法

薄切に起因するアーティファクト―過伸展

著者: 廣井禎之1 冨永晋1 河合俊明1

所属機関: 1防衛医科大学校臨床検査医学講座

ページ範囲:P.1408 - P.1411

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 パラフィンブロックに比し組織標本が大きく,かつ形も歪んでいる.鏡検すると組織がバラバラになっており組織構築の観察が不可能である(図1,2).このような現象は“過伸展”と呼ばれる.過伸展はいわゆるパラフィンの組織への浸透不良,脂質の溶解したパラフィンを包埋に用いたとき,薄切した切片を浮かべる水面に油が浮いていたときや伸展温度の不適切などの原因により引き起こされる.また,脂肪成分の多い組織にみられることが多い.

過伸展とは

 薄切された切片には必ずなんらかの変形・収縮が見られる.これは薄切のメカニズム,すなわち刃物の中心線がある角度をなし,その上面に切片が変形しながら出てくる切断法のためであり,現段階では回避できない物理現象である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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