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文献詳細

雑誌文献

検査と技術34巻12号

2006年11月発行

文献概要

けんさ質問箱Q&A

クリオスタットで大きな臓器を大量に薄切するには ?

著者: 阿部仁1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部病理学教室

ページ範囲:P.1445 - P.1450

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乳腺の手術材料が行われた際,断端をクリオスタットで作っていますが,数が多く時間がかかってしまいます.クリオスタットで大きな臓器を大量に薄切できるよい方法があったら教えてください.(岐阜市 A.O.生)

 はじめに

 近年,医学の進歩とともに,術中迅速診断の果たす役割は大変重要になっており,主病変の良性・悪性の判定,組織型の決定,切除断端における腫瘍の有無やリンパ節転移の有無の確認など年々利用頻度は高まっている.特に,乳房温存手術やセンチネルリンパ節の導入により脂肪の豊富な組織や一検体で複数組織が提出される機会が多くなっているが,現在,誰でも簡単に大きな臓器や脂肪の豊富な組織を薄切できる方法はないのが現状である.本稿では,当施設で行っている凍結標本作製法のポイントを紹介するので参考にしていただきたい.

参考文献

1) 鈴木裕:続,病理標本作製完全マニュアルシリーズ第3回 酵素組織化学法.Medical Technology 24:1289-1297,1996
2) 阿部仁,橋本悠子,丸山清聖,他:界面活性剤によるシラン塗布スライドガラスの親水化について.病理技術 62:13-15,2000
3) 大森康旨,小野久子,守安岳征,他:脂肪組織を含む凍結標本の作製法.検査と技術 30:1309-1313,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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