icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術34巻13号

2006年12月発行

文献概要

ワンポイントアドバイス

MRSAの発症例と定着例の鑑別法

著者: 相原雅典1

所属機関: 1医療法人社団徳風会高根病院検査部

ページ範囲:P.1494 - P.1495

文献購入ページに移動
はじめに

 1990年前半に地球的規模でメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin-resistant Staphylococcus aureus,MRSA)の院内感染が問題視された頃は,とてつもない強毒菌のように扱われた.しかしその後,起源や病原性が明らかにされ,感染がコントロール可能となったことで,一時の狂騒は沈静化に向かった.ただし,今日,MRSAに関する問題点のすべてが解決されたわけではない.例えば,病院の院内感染対策委員会では,いまだに細菌検査室から上げられた分離菌株数をそのまま症例数として報告している施設があり,実態とはかけ離れた数の院内感染例が実在することになっている.院内感染例として報告すべき症例は,院内における医療処置を介して感染・発症した症例であり,病原菌と判断されない菌や保菌例は除外されるべきで,そのために感染と保菌の厳密な識別が求められる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?