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文献詳細

雑誌文献

検査と技術34巻13号

2006年12月発行

文献概要

復習のページ

クレアチニンの測定―Jaffé法から酵素法への変遷

著者: 佐藤悦子1

所属機関: 1(株)三菱化学ヤトロン

ページ範囲:P.1502 - P.1503

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[クレアチニンとは?]

 臨床検査では日常的に測定される項目であるクレアチニン(creatinine,Cre)とはどんな物質か振り返ってみよう.Cre(1-メチルグリコシアミジン;C4H7N3O)は1871年に尿より発見された,分子量113.12の物質である.体内では腎でグアニド酢酸が合成され,肝で酵素の作用によりクレアチンを生成,ほとんどが筋肉に移行し,CK(creatine kinase,クレアチンキナーゼ)の作用により高エネルギー化合物であるクレアチンリン酸合成の材料となり,エネルギーの貯蔵を行っている.筋肉収縮時にエネルギーを必要としたときCKの作用でリン酸を提供し,自らは再度クレアチンとなる.次いで脱水してCreになり,最終的に老廃物として尿中に排泄される.

[Cre測定の目的は?]

 Creは体の筋肉量に比例してほぼ一定に排泄,腎糸球体で濾過され,ほとんどが再吸収されることなく尿中に排泄されることから,腎機能マーカー,GFR(glomerular filtration rate,腎糸球体濾過量)評価のためのCcr(クレアチニンクリアランス)測定に用いられている.GFRのゴールドスタンダードはCin(イヌリンクリアランス)といわれているが,一般にCcrが代用されている.腎クリアランスを求めるときは正確な採尿が測定結果の信頼性を左右する.

参考文献

1)日本腎臓学会(編):腎機能(GFR)・尿蛋白測定ガイドライン.東京医学社,pp57-65,2003
2)南良二,石川悠加,石川幸辰:重症心身障害児(者)の血清シスタチンCによる腎機能評価の有用性.日本小児科学会雑誌 107:82-84,2003
3)化学大辞典編集委員会(編):化学大辞典.共立出版株式会社,pp324,1964
4)日本臨床化学会試薬専門委員会:HPLCを用いる血清クレアチニンの測定勧告法.臨床化学,pp326-334,1994

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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