検査と技術34巻13号

2006年12月発行

連載 臨床医からの質問に答える

消化管超音波検査における描出ポイントと画像評価のコツ

著者： 浅野幸宏¹ 長谷川雄一¹

所属機関： ¹成田赤十字病院中央検査部生理検査課

ページ範囲：P.1507 - P.1511

はじめに

　消化管は超音波では観察できないという常識が通用していた時代から，今や超音波で消化管を診断する時代へと移り変わってきた．このことは，実際に現場で検査に携わっている読者の方々も実感していることと思われる．しかし，肝胆膵などの実質臓器の走査には慣れているものの，やはり消化管は苦手だと思っている方は数多いだろう．消化管走査の基本は，解剖学的な特徴を理解し，部位の同定を行いながら消化管ガス像を追跡する系統的走査法である．本稿では，この系統的走査のポイントと画像評価について代表的疾患を呈示し解説する．

参考文献

1）畠二郎，末永健二，吹野陽一，他：体外式超音波検査による消化管のスクリーニング的検査法とその診断能．超音波医学　19：27-34，1992

2）畠二郎：消化管 腹腔の超音波診断．画像診断　16：623-629，1996

3）本田伸行：日常診療における超音波診断．メディカル・コア，1996

4）湯浅肇，井出満：消化管エコーの診かた・考え方．医学書院，1998

5）山田博康：体外式超音波における大腸の診断．メディカルビュー，2000

6）長谷川雄一，岡田淳一：腹部画像診断アトラス〔消化管〕．ベクトルコア，2000

7）長谷川雄一，浅野幸宏，伊能崇税：部位別スクリーニングのコツ〔消化管〕．腹部超音波スクリーニング―見落としをしないコツ．医歯薬出版，pp104-117，2004

8）春間賢(編)，畠二郎，眞部紀明，楠木裕明，他：消化管ビジュアルテキスト．医学書院，2004

9）西田睦，長谷川雄一，畠二郎：消化管エコーの基本走査．消化管エコー研究会編，2005

10) 長谷川雄一，浅野幸宏：検査じょうほう室〔消化管〕．検査と技術　33：852-857，2005

11) 長谷川雄一，浅野幸宏，伊能崇税：潰瘍性大腸炎，Crohn病の超音波像．消化管超音波検査―描出のコツと判読のポイント．医歯薬出版，pp57-67，2006

12) 長谷川雄一，浅野幸宏：消化管の超音波検査．腹部超音波ハンドブック．日本臨床衛生検査技師会，pp229-278，2006