icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術34巻13号

2006年12月発行

文献概要

検査じょうほう室 微生物 感染症検査の迅速化・8

代謝産物の検査

著者: 木下承晧1

所属機関: 1神戸大学医学部附属病院検査部

ページ範囲:P.1516 - P.1518

文献購入ページに移動
 代謝は細胞内で起こる生化学反応で,外界環境から栄養を取り込み,エネルギーを蓄えてさまざまな代謝産物を合成し,老廃物を排出する.微生物の代謝産物の迅速検査には臨床検体を直接用いた方法と培養した培地集落を用いた方法とがある.


血液を用いた迅速検査

 エンドトキシン(lipopolysaccharide,LPS)はグラム陰性(Gram-negative)菌の外膜成分であり,リピドA,コア,O多糖体から構成されており,リピドAに活性基がある.エンドトキシンは発熱を伴う全身性炎症性反応症候群(systemic inflammatory response symdrome,SIRS)などで測定され,血液培養と併用されることが多い.グラム陰性菌のリピドAはEscherichia coliでも,Pseudomonas aeruginosaでも同じであり,血液中ではエンドトキシン量として測定するため,菌種を同定することは不可能である.

参考文献

1)木下承晧:真菌検査の進め方 6)免疫血清学的検査,血中抗原・抗体の検出測定法.Medical Technology 23:609-617,1995
2)木下承晧,中町祐司,中本勲,他:侵襲性Aspergillus症におけるガラクトマンナンenzyme linked immunosorbent assay(ELISA)の評価.医学検査 48:995-999,1999
3)福田能啓,栄谷直美,江崎弘彦,他:感染診断と除菌判定.Helicobacter Research 7:218-226,2003
4)勝川千尋,河原隆二,田丸亜貴,他:A群抗原を保有するStreptococcus dysgalactiae subsp. equisimilis.病原微生物検出情報 25:257-258,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?