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文献詳細

雑誌文献

検査と技術34巻13号

2006年12月発行

文献概要

コーヒーブレイク

食品の衛生管理 2 検査とは?

著者: 奥田俊郎1

所属機関: 1..三和農林(株)研究室

ページ範囲:P.1543 - P.1543

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 検査とは何か? 時々考えることがあります.辞書には物事の可否を決めること.とありました.これまで私は臨床検査の分野に身をおいて,検査を大きく①目的→②検出操作→③結果の判定の三要素で捉えてきました.では食品分野ではどうでしょうか.それには食品衛生法を理解する必要があります.同法では試験の目的が三つに分かれています.①食中毒発生時の原因解明を目的とした検査で病原体が対象.②食品衛生法に定められている規格や地方自治体が設定した指導規準に合致するかを調べる試験で,主に総細菌数と大腸菌群数測定.③自社が衛生・品質管理をするための試験で,独自に項目を設定.

 わが国には多くの食品工場がありますが,大手を除けばおそらく検査室を持っているのはそのうちの数割でしょう.検査室を持たない企業は納入先の求めに応じて,製品検査を検査機関に依頼しています.その場合,前述の②の試験の細菌学的成分規格が管理基準になることが一般的です.それが数値の一人歩きを招いているようです.それは知らず知らずのうちに基準の前提を大きく逸脱して,他の食材にも適用されていることに他なりません.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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