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尿試験紙のJCCLS勧告
著者: 伊藤機一12
所属機関: 1神奈川県立保健福祉大学 2JCCLS尿検査標準化委員会
ページ範囲:P.106 - P.106
文献購入ページに移動JCCLSにおける尿検査標準化の歩み
JCCLSと尿検査標準化とのつながりは比較的古い.日臨技一般検査研究班が1980年代末,診療機関ごとにまちまちであった尿沈渣検査法の標準化案を作成し,これをわが国における標準法として検討・承認されたいとする要望がJCCLSに提示され,第一次尿沈渣検査法専門委員会(河合忠委員長)活動が1991年に発足したことに始まる.2000年4月には待望の「JCCLS尿沈渣検査法指針GP1-P3」(通称Yellow Book)を発刊するまでに成果を遂げた.一方,尿試験紙の標準化については1995年秋,日本臨床病理学会総会で折田義正大阪大学教授を座長に尿試験紙法標準化のad hoc委員会が開催されたことに始まる.開催理由は,わが国では約10社が試験紙を販売しているが,尿蛋白・糖・潜血の三大試験紙のうち後二者の1+の濃度表示がばらばらで臨床・健診(検診)の現場で混乱をきたしており,早急に手を打つべき必要があることにあった.例えば,尿糖の1+は50~250mg/dlまで5倍もの濃度のひらきがあり,単位記載法もmg/dl,g/l,%と3種類もあり,潜血試験紙も濃度,表示法にバラツキが大きかった(蛋白は幸いにも全メーカー1+=30mg/dlと統一).JCCLSでは1997年,尿試験紙測定法検討委員会(第1弾)を発足,年複数回に及ぶ委員会の決議を経て2001年7月,「JCCLS尿試験紙検査法提案指針GP3-P1」を発刊した.しかし内容といえば正しい採尿法,試験紙の正しい保管・使用法,偽陽性・偽陰性対策といった教科書的記載にとどまり,標準化からは程遠く,内外からの不満と叱責の声が少なくなかった.
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