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文献詳細

雑誌文献

検査と技術34巻2号

2006年02月発行

文献概要

Laboratory Practice 血液:末梢血血液像における鑑別困難な血球・2

異型リンパ球

著者: 常名政弘1 東克巳1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院検査部

ページ範囲:P.128 - P.132

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はじめに

 末梢血液像で鑑別困難な血球の一つとして異型リンパ球が挙げられる.リンパ球は抗原刺激を受けると核小体を発現してリボゾームRNAを合成し細胞が大きくなって細胞分裂を行い,サイトカインや免疫グロブリンを産生する1).また刺激を受けたリンパ球は普通染色で大型の塩基性の強い異型リンパ球として観察される.しかし末梢血液像に見られるリンパ球はさまざまな形態を示し,正常なものから典型的な異型リンパ球として観察され,どこまでを異型リンパ球とするのか判別困難な場合も少なくない.一方,末梢血液像に出現するリンパ系細胞には悪性リンパ腫などの腫瘍細胞も認められ,これらを鑑別することも非常に重要である.また末梢血液像を観察するうえで塗抹標本作製上の諸条件による影響や患者の年齢なども考慮する必要がある2~5)

 今回は異型リンパ球鑑別のポイントについて紹介する.

参考文献

1) 柴田進:図解血液病学,改定3版.金芳堂,京都市,pp594-595,1996
2) 阿南健一,亀岡孝則,須田正洋:形態学からせまる血管疾患.岡山メディック,岡山市,pp122-126,1999
3) 大畑雅彦,重田英夫:リンパ系腫瘍鑑別と塗抹標本観察上の問題点.日本検査血液学会雑誌 3:85-94,2002
4) 清水長子,川合陽子:患者のための血球形態シリーズ4.診断に役立つリンパ球形態の観察.日本検査血液学会雑誌 3:164-172,2002
5) 中竹俊彦:日常診療でよく遭遇する紛らわしい細胞.日本検査血液学会雑誌 4:75-80,2002
6) 柴田進:図解血液病学,改定3版.金芳堂,京都市,pp616-618,1996
7) 柴田進:図解血液病学,改定3版.金芳堂,京都市,pp838-842,1996

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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