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文献詳細

雑誌文献

検査と技術34巻2号

2006年02月発行

文献概要

どうする?パニック値 生化学

7.血中Na濃度異常値

著者: 阿部雅紀1 海津嘉蔵1

所属機関: 1社会保険横浜中央病院腎・血液浄化療法科

ページ範囲:P.154 - P.155

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 Na(ナトリウム)は細胞外液中の陽イオンの90%を占め,血漿浸透圧の主な決定因子である.血清Na濃度の異常は血漿浸透圧の異常であり,なんらかの水代謝障害が存在することを意味する.血漿浸透圧=2×Na+(グルコース/18)+(尿素窒素/2.8)であり,グルコースと尿素窒素が正常範囲であれば血清Naの異常は多くの場合,血漿浸透圧の異常を示す病態と一致する.

 Na摂取は主にNaClの形で経口摂取されるか輸液による.Na排泄はアルドステロンや心房性Na利尿ペプチド(atrial natriuretic peptide,ANP)により調節されている.正常では,血漿浸透圧の上昇があれば,視床下部のosmoreceptorが感受して口渇感が生じ,同時に下垂体後葉からの抗利尿ホルモン(antidiuretic hormone,ADH)分泌が増加し,尿を濃縮することにより水排泄量を減少させる.逆に血漿浸透圧が低下した場合はその逆を作用させ調節を行う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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