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雑誌文献

検査と技術34巻2号

2006年02月発行

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トピックス

特異免疫に基づいた結核感染診断(QFT-2G法)

著者: 原田登之1 樋口一恵1

所属機関: 1(財)結核予防会結核研究所抗酸菌レファレンスセンター免疫検査科

ページ範囲:P.164 - P.166

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はじめに

 結核菌に感染した場合,大多数の人は発症に至らない潜在性結核感染となる.現在,世界人口の約三分の一がこの潜在性結核感染者と見積もられており,発症した際には感染源となりうる.したがって先進国においては結核に対する有効な対策の一つとして,潜在性結核感染者を早期に見いだし,発病を防ぐために予防内服を行うことが実施されている.潜在性結核感染の診断には,従来唯一ツベルクリン反応(ツ反)が世界的に使用されてきた.しかし,ツ反に用いるPPD(purified protein derivative of tuberculin,精製ツベルクリン蛋白質)は加熱滅菌した結核菌培養濾液から部分精製した結核菌抗原の混合物であり,そのほとんどのものがBCG(bacillus Calmette-Guérin,カルメット-ゲラン桿菌)や非結核性抗酸菌の抗原と高い類似性を持つため,BCG接種あるいは非結核性抗酸菌感染によってもツ反が陽性になる場合がある.ツ反はこの低特異性という欠点を持つため,BCG接種が広範に実施されている日本において結核感染診断をツ反で正確に行うことは非常に困難であった.しかし最近,ツ反の持つ欠点を克服する新たな結核感染診断法QuantiFERON(R) TB-2G(QFT-2G)が開発された.

 本稿では,このツ反の欠点を克服するQFT-2Gについて述べる.

参考文献

1) Andersen P, Munk ME, Pollock JM, et al: Specific immune-based diagnosis of tuberculosis. Lancet 356:1099-1104,2000
2) Mori T, Sakatani M, Yamagishi F, et al: Specific detection of tuberculosis infection with an interferon-gamma based assay using new antigens. Am J Respir Crit Care Med 170:59-64,2004
▲TB-2Gの有効性の検討.結核 79:637-643,2004
4) Brock I, Weldingh K, Lillebaek T, et al: Comparison of tuberculin skin test and new specific blood test in tuberculosis contacts. Am J Respir Crit Care Med 170:65-69,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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