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文献詳細

雑誌文献

検査と技術34巻3号

2006年03月発行

病気のはなし

アカントアメーバ角膜炎

著者: 石橋康久1

所属機関: 1北里研究所メディカルセンター病院眼科

ページ範囲:P.222 - P.226

文献概要

サマリー

 本症はコンタクトレンズ(contact lens,以下CLと略)の装用や外傷が原因となり角膜にアカントアメーバが寄生して起こる感染症である.85~90%がCL装用者で,10~15%が外傷による.CLではソフトCLが85~90%,ハードCL装用者が10~15%である.欧米では1974年に1),わが国では1988年に初めての報告があり2),その後症例が増加して問題となっている.米国では対策がなされて症例は減少しているが,わが国では,いまだ対策がなされていない.CLの使いかたやケアの仕かたが誘因となるため,予防が大切であるが,わが国ではCLの装用に対する指導が徹底されておらず,問題であると思われる.診断は臨床経過と臨床所見とから疑い,病変部から直接検鏡あるいは培養でアメーバを検出する.治療は難しく早期に発見して適切な治療を行えば予後はよいが,診断が遅れたり適切な治療が行われない場合,失明する.

参考文献

1) Naginton J, Watson PG, Playfair TJ, et al: Amoebic infection of the eye. Lancet 304:1537-1540,1974
2) 石橋康久,松本雄二郎,渡辺亮子,他:Acanthoamoeba keratitisの1例―臨床像,病原体検査法および治療についての検討.日眼 92:963-972,1988
3) 石橋康久:アカントアメーバ角膜炎37自験例の分析.眼科 44:1233-1239,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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