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病気のはなし
多発性骨髄腫
著者: 大津山賢一郎1 河野道生1
所属機関: 1山口大学大学院医学系研究科・生体シグナル解析医学講座
ページ範囲:P.228 - P.234
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Bリンパ球系細胞である形質細胞が骨髄で単クローン性に腫瘍性に増殖しているのが多発性骨髄腫である.その診断には形質細胞の同定と形質細胞の単クローン性の証明とが必要である.最近,この証明にフローサイトメーターによる表面抗原解析が有用であることが示され日常化しつつある.抗CD38抗体を使用するマルチカラー解析は,形質細胞の分化度(未熟型,中間型および成熟型)をも解析でき,特に未熟型骨髄腫細胞の動態は骨髄腫の進展を予測するうえで極めて重要であることから表面抗原解析はますます重要性を示しつつある.
Bリンパ球系細胞である形質細胞が骨髄で単クローン性に腫瘍性に増殖しているのが多発性骨髄腫である.その診断には形質細胞の同定と形質細胞の単クローン性の証明とが必要である.最近,この証明にフローサイトメーターによる表面抗原解析が有用であることが示され日常化しつつある.抗CD38抗体を使用するマルチカラー解析は,形質細胞の分化度(未熟型,中間型および成熟型)をも解析でき,特に未熟型骨髄腫細胞の動態は骨髄腫の進展を予測するうえで極めて重要であることから表面抗原解析はますます重要性を示しつつある.
参考文献
1) Kawano M, Hirano T, Matsuda T, et al: Autocrine generation of and requirement of BSF-2/IL-6 for human multiple myelomas. Nature 332:83-85,1988
2) 河野道生:免疫グロブリン産生細胞の増殖.標準血液病学.医学書院,pp189-209,2000
3) Greipp PR, Raymond NM, Kyle RA: Multiple Myeloma: Significance of plasmablastic subtype in morphological classification. Blood 65:305-310,1985
4) Harada H, Kawano M, Huang N, et al: Phenotypic difference of normal plasma cells from mature myeloma cells. Blood 81:2658-2663,1993
5) 和田眞紀夫:骨髄腫に対する治療ガイドラインと多剤併用化学療法.血液フロンティア 14:1527-1543,2004
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