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文献詳細

雑誌文献

検査と技術34巻3号

2006年03月発行

文献概要

今月の表紙

急性骨髄性白血病 FAB分類M2

著者: 寺島道子1 東克巳1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院検査部

ページ範囲:P.245 - P.245

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 今回は,FAB分類のM2(myeloblastic leukemia with maturation)を取り上げた.FAB分類のM2はWHO分類では骨髄系悪性新生物分類の中のacute myeloid not otherwise categorizedのAML with maturationとなる.ただし,今回のように染色体・遺伝子異常を伴う症例はacute myeloid leukemia with recurrent cytogenetic abnormalities AML with T(8;21)(q22;q22),(AML1/ETO)となる.

 FAB分類のM2は,骨髄中の芽球〔typeⅠおよびtypeⅡ:少数のアズール顆粒やアウエル小体(Auer body)を認める〕が全骨髄有核細胞から非造血細胞(リンパ球,形質細胞,肥満細胞,マクロファージ)および赤芽球を除外したNEC(nonerythroid cell: bone marrow cells excluding erythroblasts)の30~90%で,前骨髄球以降の成熟顆粒球が10%以上,単球系細胞は10%未満,赤芽球系が50%未満とされている.さらに芽球のPOD(peroxydase,ペルオキシダーゼ)反応もしくはSBB(Sudan black B,ズダン黒B)染色の陽性率が3%以上とされている.アウエル小体が見られる場合,その形状は,短いものや長いもの,幅のあるもの,数も2~4個を有するなどバラエティーに富むとされている.染色体検査では,(8;21)転座がみられ,遺伝子検査では,AML1/MTG8融合遺伝子が形成される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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