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検査室の安全管理・12
生体試料の取り扱いと倫理 その3 遺伝子・染色体検査
著者: 涌井敬子12 福嶋義光12
所属機関: 1信州大学医学部社会予防医学講座遺伝医学分野 2信州大学医学部附属病院遺伝子診療部
ページ範囲:P.271 - P.275
文献購入ページに移動ヒトゲノム解析研究の急速な進展により,2003年にはヒトの持つ30億塩基対の塩基配列の一次構造が決定された.さまざまな疾患の責任遺伝子や発症のメカニズムが分子レベルで明らかにされ,新たな診断法の開発や,原因に基づく病態や治療へ向けての研究が進みつつある.このような近年の分子遺伝学の著しい進歩による成果は,遺伝子診断という形で医療現場に導入されつつある.一方,2005年4月より施行された個人情報保護法を受けて,遺伝情報の扱いについて国の倫理ガイドラインが整備された.
本稿では遺伝子・染色体検査を目的別に整理し,それぞれの目的における生体試料の取り扱い上の留意点,特に生殖細胞系列変異を検索する遺伝子・染色体検査の特殊性とその倫理的問題について概説する.
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