文献詳細
文献概要
検査じょうほう室 生理 心電図の読みかた・3
心室の負荷・肥大
著者: 岸良示1
所属機関: 1聖マリアンナ医科大学循環器内科
ページ範囲:P.276 - P.278
文献購入ページに移動心室の肥大の心電図診断基準の成り立ち
もともとの心室の肥大および拡張という概念は病理学的立場からもたらされたものである.心室壁の肥厚を伴う場合,内腔の拡張がなければ求心性肥大,あれば遠心性肥大,心室壁の肥厚がなく内腔の拡張の強いものは心室拡張と呼ばれている.いずれの場合も病理学的には肥大の程度は心重量で表現されている.
心室の肥大の心電図診断基準にはさまざまあるが,特に初期においては心電図と剖検所見とを比較して作られている.基になる剖検所見で肥大といっても程度の軽いものから重症なものまであり,正常との境界も人為的なものである.さらに心電図診断基準でよく用いられるQRS波の振幅などは体格,肺などの心臓以外の要素が影響するため,限界があることを頭に入れたうえで解釈していく必要がある.
もともとの心室の肥大および拡張という概念は病理学的立場からもたらされたものである.心室壁の肥厚を伴う場合,内腔の拡張がなければ求心性肥大,あれば遠心性肥大,心室壁の肥厚がなく内腔の拡張の強いものは心室拡張と呼ばれている.いずれの場合も病理学的には肥大の程度は心重量で表現されている.
心室の肥大の心電図診断基準にはさまざまあるが,特に初期においては心電図と剖検所見とを比較して作られている.基になる剖検所見で肥大といっても程度の軽いものから重症なものまであり,正常との境界も人為的なものである.さらに心電図診断基準でよく用いられるQRS波の振幅などは体格,肺などの心臓以外の要素が影響するため,限界があることを頭に入れたうえで解釈していく必要がある.
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