icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術34巻3号

2006年03月発行

文献概要

検査じょうほう室 生理 心電図の読みかた・3

心室の負荷・肥大

著者: 岸良示1

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学循環器内科

ページ範囲:P.276 - P.278

文献購入ページに移動
心室の肥大の心電図診断基準の成り立ち

 もともとの心室の肥大および拡張という概念は病理学的立場からもたらされたものである.心室壁の肥厚を伴う場合,内腔の拡張がなければ求心性肥大,あれば遠心性肥大,心室壁の肥厚がなく内腔の拡張の強いものは心室拡張と呼ばれている.いずれの場合も病理学的には肥大の程度は心重量で表現されている.

 心室の肥大の心電図診断基準にはさまざまあるが,特に初期においては心電図と剖検所見とを比較して作られている.基になる剖検所見で肥大といっても程度の軽いものから重症なものまであり,正常との境界も人為的なものである.さらに心電図診断基準でよく用いられるQRS波の振幅などは体格,肺などの心臓以外の要素が影響するため,限界があることを頭に入れたうえで解釈していく必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?