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免疫非反応性アルブミン
著者: 中山亜紀1 芝紀代子1
所属機関: 1東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科
ページ範囲:P.308 - P.310
文献購入ページに移動またComperらは,アフィニティーカラムにかけた糖尿病患者尿のflow throughつまり,抗アルブミン抗体に反応しない画分をさらにゲル濾過カラムに通し,66kDaのアルブミンピークを分取し,免疫非反応性アルブミンとして精製している.この精製サンプル中には1%以下で他の尿中蛋白質(トランスフェリン,IgG,Tamm Horsfall糖蛋白質,α1アンチトリプシン,α1酸性糖蛋白質)も含まれているが,純度の高いものである3).精製した免疫非反応性アルブミンサンプルをSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(sodium dodecyl sulfate polyacrylamide gel electrophoresis,SDS PAGE)とポリアクリルアミドゲル電気泳動(native PAGE)で解析したところ,native PAGE法では66kDaのところにバンドが認められたが,SDS PAGE法ではアルブミンよりも低分子側に分解した(図2).この結果を受けComperらは,免疫非反応性アルブミンはintactアルブミンの分子量を持ちながら還元作用によってフラグメント化する構造を持っていると報告している3).
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